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記事: ArcLock 開発ストーリー

ArcLock 開発ストーリー - UNDERCOOLED

ArcLock 開発ストーリー

突然ですが、皆さんは鍵をどのように管理していますか?キーケースを使っている方も多いのではないでしょうか。一般的に「キーケース」というと、三つ折りで、開くと金具にいくつかの鍵を付けられるような形状をイメージするかと思います。

今回、新商品として加わったArcLockはこれまでのキーケースは全く異なるユニークな製品となりました。昨年、アンダークールドで発表したNotSというコンパクト財布は「使いやすさ」に徹底的にこだわりました。そしてArcLockもまた同様に「使いやすいキーケースのデザインとは?」という問いに真正面から向き合った製品です。

財布に続く新商品の開発

昨年夏頃、NotSの製造がひと段落した頃に、次回作の制作に取り掛かりました。

 「お客様に喜ばれる革製品はなんだろう?そもそも既存の革製品の抱える課題はなんだろう?」

毎日そんなことを考える中で気付いた事があります。革という素材は非常に魅力的な素材である一方で、弱点も多い素材です。布やプラスチック樹脂に比べると素材としての柔軟性に乏しく、制作する上での形状の制約が多い。傷や変色に木を配る必要もありデリケートな素材なのです。

それはある種の"制約"でもあり、そのせいか革製品は形状のパターンには限りがあります。いわゆる「定番」の形がある程度決まっていて、それらは何十年もあまり変化していません。そのため現代人の生活スタイルに合わない「定番の形」という物もあります。我々は、それらを多少使いずらいと感じつつも、そういうものだと受け入れながら使用しているのではないでしょうか。

ここに「アンダークールドとして何を作るべきか」というヒントを得ました。

既存のキーケースの課題を解決するデザイン

キーケースには定番の形が存在します。様々なブランドから出ている三つ折りのキーケースです。もちろん定番には定番の良さがありますが、機能性だけを見た場合、この三つ折りキーケースは現在人のライフスタイルに合わない形状ではないか?と感じられました。

 

朝、家から出るとき。そして夜、帰宅するとき。私たちは時間を気にして急いでいる事が多いのではないでしょうか。にも関わらず、三つ折りのキーケースはスピーディーにドアの鍵を閉める(開ける)ことに適したデザインとは言えません。

 

さらに、実際に人々が鍵に対してどのような課題を感じているかを知るために友人や家族に聞き取り調査を行いました。そこで「キーケースは鍵の出すのが面倒」「キーケースはボリュームが出て邪魔に感じる」など課題がある事がわかりました。そういった理由からカラビナなどでむき出しで鍵をぶら下げてまとめているという人も多いようです。これらの課題を解決した上で、鍵からバッグやポケットの中の生地を守れる本来のキーケースの役割を果たせるようなが作れれば面白そうです。

ある程度方向性が固まってきてからは、使いやすい製品にするためにどのようなデザインがベストかを探って行きました。いくつかのパターンを考えて、辿り着いたのが一枚革を山折り谷折りにして蛇腹型にする今のデザインでした。 

蛇腹の隙間に鍵を差し込み、クルッと弧を描いて取り出す。これによりポケットから鍵穴までの動作を最小限にする事ができます。シンプルなデザインで最大限の機能性を実現する事ができたのです。

見えないところまで美しく

普段使っている時は見えることはないのですが、気になるポイントがありました。広げた時に付くこのシワです。ArcLockは2枚の革を貼り合わせていますが、実はこの作りが曲者。張り合わせた革でこのように折り曲げる箇所のある製品を作る際は、曲げた状態を想定して内側の革と外側の革の寸法を変えて貼り付ける必要があります。この手法を「釣り込み」と言って、微妙な寸法の誤差や、革の厚さの違いで仕上がりの綺麗さが大きく変わるのです。

 

今回のArcLockはこの部分が非常に難しいポイントでした。製造を委託している工場さんでも何度か試作品を作り直しているうちに、僕自身も半ば諦めて「ここが妥協点かな・・・。」と思っていたのですが、最後の最後「もうこれ以上は」と言われて出来上がってきたものがこちら。完璧な仕上がりでした。

平らにしてもシワがよらない綺麗な仕上がりとなりました。これぞ職人技。普段使ってる時は気にならない箇所ではございますが、綺麗な製品に仕上げるためにこんな細かいところにも気を使っているのです。ArcLockを手に取った際は職人さんの技術力にも注目していただけると大変嬉しいです。

クラファンのお知らせ

こうしてできたArcLockを、ようやく皆様のお手元にお届けできる準備が整いました。初回販売はクラウドファンディングでリリースします。

こんなおかしな形のキーケースがどれくらいの人に受け入れてもらえるかは未知数ではありますが、この瞬間が不安と同時に楽しみでもあります。他のレザーブランドとは少し違う"変なレザーグッズ"を作ってるアンダークールドを応援していただけると大変有り難いです。

 

クラファンページはこちら

是非、応援よろしくお願いします!

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