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記事: イタリアのタンナー(革工場)に質問してみた。

イタリアのタンナー(革工場)に質問してみた。 - UNDERCOOLED

イタリアのタンナー(革工場)に質問してみた。

アンダークールドの製品で使われるメイン素材「トスカーノリスシオ」は、東京にある革問屋さんを通じてイタリアのConceria 800社(以下オットチェント社)というタンナーから仕入れています。

タンナーとは、加工前の「皮」から腐らないように素材としての「革」を作る工場です。イタリアは古くから革文化が根付いており世界的に見ても多くのタンナーが集まる国の一つです。オットチェント社もそのイタリアにあるタンナーの一つです。

1970年台にイタリア、トスカーナ地方でTre Chiodi社(トレ・キオーディ)から事業継承する形で誕生しました。多くのタンナーが近年クロム/合成タンニンなめしを新たに始める中、現在に至るまで一貫して植物タンニンなめしのみを行っており、近年品質維持が難しいタンニンなめし革の中でも、群を抜いて安定した素材を供給している数少ないタンナーです。

そして、この度革問屋さんを通じてオットチェント社の担当者に6つの質問に回答をしていただきました!

 

01

正式名称は「Conceria 800 S.P.A」と言います。ユニークな社名の意味は、オットチェント社で用いられる「バケッタ製法」と言われる伝統的な鞣し製法の歴史に由来します。バケッタ製法が生まれたのは西暦800年と言われており、これが社名の由来となっています。

02

植物の渋(ミモザ、ケブラチョ、チェストナットなど)で鞣すことを「植物タンニン鞣し」と言いますが、バケッタ製法とは、この植物タンニン鞣しの皮革に、半固形の動物性油脂(牛脚油や魚油)を皮革の内部まで浸透させるイタリアのトスカーナ地方の伝統的な仕上げです。その起源は、既に記した通り8世紀。つまり今から1000年以上も前と言われています。一時は非効率的な手法ということで消えてしまったバケッタ製法ですが、復刻された現在はイタリアのトスカーナ地方のタンナーを中心に複数のタンナーで作られています。オットチェントト社もその一つで、創業からこの昔ながらの手法を用いた革作りを行っているタンナーなのです。 

03

オットチェント社の皮革の最大の魅力はその自然さであり、厳選された最高品質の原皮と、職人の伝統と革新によって生み出されます。結果、持ち主によって異なるエイジングを体感できる美しい革となります。代表的な製品として、「Toscano」という皮革があります。際に説明したバケッタ製法を用いた革素材で数あるオットチェント社の製品の中でも中核となる皮革なのです。動物性油脂をタブンに含んでおり、革特有の美しい経年変化が魅力的な素材です。表面が滑らかな物を「Toscano Liscio」、それにデコボコのシボをつけた物を「Toscano Voranato」と呼んでいます。(現在アンダークールドで採用しているのはToscano Liscioです。)Toscanoは、オットチェント社の価値観を反映する素晴らしい革素材です。

04

オットチェント社では、主にフランス、ノルウェー、デンマークの原皮を使っています。品質は牛の品種もさることながら、土地の気候や屋内・屋外飼育の環境やエサの質や量など様々な要因によって変わってくきます。綺麗な原皮を確保するためには牛にとってストレスのない環境で育てることが重要で、オットチェント社では、そういった生育環境を考慮し調達先を厳選しています。そしてまた、世界の中で人が使っている革は、食肉用としての副産物の皮を廃棄せず、腐らないよう加工して使われています。決して、革製品を作るために動物の命が奪われていることはありません。

05

世界的な環境対策意識の高まりにより、オットチェントのグループ全体で使う電気は全て再生可能エネルギーで賄っています。環境負荷を抑えるために定期的な調査を行い、カーボンフットプリント(※)を改善することに努めています。また、皮革製造では一般的に多くの水を使い、オットチェント社では最新の設備に投資し、効率的な水量で鞣しを行なっています。また、排水はろ過して再利用しています。

(※カーボンフットプリントとは、商品やサービスの原材料の調達から生産、流通を経て最後に廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの排出量をCO2に換算したものです。) 

06

オットチェント社本社は現在23名で構成されており、従業員同士は仲が良く一つの大家族のようです。十分な賃金やボーナス、決まった労働時間などの労働基準にも気を配っており、従業員が一体感を持って皮革製造に集中できる労働環境が整っていると言えます。

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以上です!いかがでしたでしょうか?

質問の機会をいただけて世界中で愛されるオットチェント社の革の魅力の裏側に触れられた気がします。またいつかご機会いただけたらタンナーさんに色々お話聞かせていただきたいですね。

お楽しみに〜!!

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